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2021年度第2学期始業式 高校校長訓話

 おはようございます。2学期の始業式にあたり話をします。
 世界的なコロナウイルスの蔓延による感染症拡大の影響がとどまることなく、ここまで生徒の皆さんは引き続き感染症予防の徹底を求められる難しい日々を駆け抜けてきました。加えてこの夏は、厳しい暑さや激しい大雨が続き、様々な苦労を強いられ、たくさんの不自由を感じたことと思います。

 しかしそのような状況下でも、皆さんは様々な感動を生み出してきました。参加生徒全員の強い意識と先生方のご尽力で無事に校外行事を実現できたこと、部活動の全国大会で優勝という栄誉を勝ち取ったこと、創部以来はじめて全国大会に進出して躍動したこと、試合やコンクールにおいて無事に全力を出し切ることができたこと、また逆に次につながる悔しい経験をすることができたこと、様々な制限の中、厳しい合宿での練習をやり抜いたこと、そして何より、今年度はじめから厳しい状況が続く中で、「学びを止めない」という方針を体現し、厳しい夏を無事乗り切ってきた皆さん全員の今の姿こそが、何より素晴らしい感動的な成果であると思います。

 ぜひ今こそ、しっかりと大切な「未来」を見据えて、一人ひとりが自身にとって前向きになれる振り返りをしてください。そしていかなる厳しい状況下であっても、自分自身にも、周囲にも、前向きな思いを「声」として届けることができるような人であり続けてください。

 アメリカの教育者であった ヘレン・ケラー は現在の状況にも大いに通ずる次のような言葉を残しています。――『もしもこの世が喜びばかりなら、人は決して勇気と忍耐を学ばないでしょう』という言葉です。皆さんの厳しい状況下での様々な場面での奮闘を目の当たりにして、素晴らしい活躍を耳にして、そしてたくさんの成果に触れて、改めてこの言葉に思いを馳せました。皆さんは喜びばかりではない、それどころか数多くの苦難が続く現在の状況において、着実に「勇気」と「忍耐」を育んでいるのです。

 今日からスタートした2学期は、1学期以上に動きのある学期です。体育祭や研修旅行など、様々な学校行事が控えています。しかし現在の社会情勢を見ると、どこまでの実施が実現できるのかについて、その見通しを語ることは非常に難しい状況です。ここから秋や冬の訪れを感じるまでの期間についても、引き続き過酷で厳しく、さらに多角的な判断や行動が求められる日々となることが予想されます。

 しかし、裏を返せばそれは私たちが「勇気」と「忍耐」を学び培う最良の機会であるとも言えます。これからもそれぞれが自身のあるべき姿、取るべき行動をしっかりと自覚して、これまで大切にしてきた「学びを止めない」の方針を貫くための努力を重ねていきましょう。
 いつも言っていますが、今日のような始業式という節目はいいきっかけだと思います。これまでの生活を振り返り、そしてしっかりと大切な「未来」を見据えて、自身にとって真に有意義なPMTMを描いてください。

 現在本館の各教室については、プロジェクター設備が配備されていて、この始業式をZoomを通して配信しています。この設備は今後の学習活動や学校行事など、様々な場面で多角的に活躍することができる可能性をたくさん秘めています。今後の有効活用の展開をどうぞ楽しみにしておいてください。須磨学園は、今後も決して逆境に屈することなく、皆さんの学びを止めることなく、学校としての果てしない可能性を追求していきます。

 最後になりますが、高校三年生の皆さん。この厳しい夏も須磨学園を信じてしっかりとこの丘の上に集って勉強に励む姿は、後輩の皆さんや我々に大いなる勇気を与えてくれました。今後も厳しい社会情勢が続くと思われますが、皆さんが決してひるむことなく「勇気」と「忍耐」を育み、躍進と体調管理の両立を果たし、未来の勝を目指して価値ある取り組みを積み重ねていくことを心から期待しています。頑張ってください。

2021年9月1日 高校校長  堀井 雅幸